『カンガルーケア及び完全母乳育児促進等に潜む危険性』のシンポジウムに参加しました。
(主催:出産直後のカンガルーケア・完全母乳等により脳障害を受けた新生児を抱える「患者・家族の会」)
2007年厚労省は母乳育児を進める目的で「授乳と離乳の支援ガイド」を作成しました。これは、WHOが1989年に出した「母乳育児を成功させる為の10ヵ条」の指針を参考に策定されたものです。
この10か条の中の、母乳育児の3点セット(出生直後のカンガルーケア、完全母乳、母子同室)が支援ガイドの柱となっています。
母乳育児3点セットの長所(利点)ばかりが知られるようになり、出生直後のカンガルーケア・完全母乳・母子同室の短所(危険性)が国民に何も知らされていないため、カンガルーケア中に心肺停止などの事故が起こっている。被害者への説明は殆んどが「乳幼児突然死症候群・SIDS」で原因の究明がなされていないのが現状です。
そして、最も悲劇なのは、事故が「お母さんの胸の上でおきている」ということです。
カンガルーケアはもともとNICUで長期に治療を受けている乳児に対し、母子早期皮膚接触を行うことで母子の絆を育むことを目的として効果が認められたものです。これが現在では、母乳育児を目的に行われています。
ガイドラインを守ることも無く、高齢産婦や帝王切開の産婦にも行われていることに疑問を感じます。
また、基調講演をされた久保田医師は、「カンガルーケアに体温上昇作用が無いことを物語っている。体温上昇作用が認められなければ、分娩直後の赤ちゃんは低体温に陥り、呼吸循環動態を不安定とし、同時に糖新生を妨げ低血糖に陥り、心配停止事故・発達障害児を増やす」と説明されました。
赤ちゃんは本当に3日分の水筒と弁当を持って生まれてくるのか? 科学的に説明できなければ、心配停止事故や発達障害児が増え続ける日本になってしまう。
「患者・家族の会」の皆様は、正常に生まれ、元気な産声を聞き、抱いた我が子が、まさかこのような事故に合うとは、二度と事故を繰り返して欲しくないと訴えていました。